住宅防火Q&A
住宅防火の基礎知識について学びましょう
コンロからの出火が多いのはなぜ?
どこの家庭でも毎日使用している「コンロ」は、使い慣れているからこそ油断しやすく、毎年住宅火災における出火原因の上位となっています。出火原因の多くは調理中に目を離したために起こる不注意にあります。他にも燃えやすいものを近くに置いていたことや着衣に火が燃え移ってしまったことなども火災の原因となります。
ストーブの上に洗濯物を干してはいけないのはなぜ?
ストーブにより温まった空気が上昇すると洗濯物の下から風が吹いているような状態となるため、乾燥して軽くなった衣類などはストーブに落下しやすくなります。他にもストーブの近くに燃えやすいものを近づけるのも火災の原因となります。
たこ足配線から火災が起きるのはなぜ?
「たこ足配線」とは、テーブルタップなどを使って一つのコンセントに複数の家電製品を接続することを言います。消費電力の大きい家電製品を同時に使用すると定格電流(コンセント1カ所で1500W程度)を超えてしまい、コンセント内部の配線が電力に耐えられなくなるため火災に発展してしまいます。
たばこが原因の火災が起きるのはなぜ?
たばこ火災の特徴として、始めは炎を伴わない燃焼(無炎燃焼)が起こり、周囲の可燃物を焦がしながら徐々に燃え広がり出荷するまで時間を要します。発見が遅れる可能性が高く、気付かないうちに煙を吸って一酸化炭素中毒になることもあります。
たばこ火災の原因の多くは不適当な場所へのたばこの放置、禁煙中に火種の落下に気付かなかったこと、たばこの不適当な後始末によることがあげられます。
消火器で火が消えるのはなぜ?
一般家庭に最も普及している消火器は「ABC粉末消火器」といわれるものです。窒素ガスで蓄圧した粉末消火薬剤(第一リン酸アンモニウム等)をノズルから噴射することで、細かい霧状の粉末が火元周辺を覆い酸素濃度を下げ燃焼を抑える役割(窒素消火)と燃焼の継続を抑える役割(抑制消火)を有しているため、消火器で火を消すことができます。
消火器に使用期限があるのはなぜ?
家庭用消火器は使用期限が本体に表示されており、中身の消火薬剤の詰め替えができない構造となっています。使用期限を過ぎた消火器は腐食や錆びなどが原因で、消火薬剤を使用することができなくなります。使用期限が過ぎたら新しい消火器と交換することをお勧め致します。
また、高温多湿や潮風のあたる環境で保管していれば使用期限内であっても腐食などにより使用できないことがありますのでご注意下さい。
ガソリンや灯油などが火気厳禁なのはなぜ?
ガソリンや灯油などは「引火性液体」と呼ばれ、引火性液体が発生させた可燃性蒸気は、静電気やライターなどの小さな火種でも引火や爆発を起こして大事故に繋がる危険性があります。特にガソリンは-40℃以下の寒い環境でも引火するため取扱には十分注意する必要があります。
住宅用火災警報器が必要なのはなぜ?
火災の恐ろしさは煙にあります。呼吸を妨げるだけでなく、視界を奪われてしまい、避難することが困難となってしまうからです。特に深夜の就寝時間帯は火災の発生に気づくことが難しく、避難するタイミングが遅れてしまいます。「逃げ遅れ」による死者の発生を防止するためにも、煙や熱を感知して音で知らせる「住宅用火災警報器」が必要になります。
増毛町ではすべての住宅に「住宅用火災警報器」の設置が義務化され10年が経ちました。電池切れや性能・機能の低下による更新の時期となりますので、取り替えをお勧めします。
防炎品ってなに?
住宅火災による死者の発生状況をみると「逃げ遅れ」が多いことから避難できる時間を作ることが重要です。特に高齢者は避難に時間を要するため、カーテンや寝具類などを防炎性能(燃えにくい)を有する「防炎品」を使用することで避難のための貴重な時間を作ることができます。
「火の用心」の言葉の由来は?
「火の用心」という言葉が使われた古い記録として、徳川家康の家来である本多作佐衛門が家族へ送った短い手紙が広く知られています。手紙の本文には「一筆啓上 火の用心 おせん泣かすな 馬肥やせ」と書かれており、この手紙は1575年の長篠の戦いにおいて、戦場の本田作佐衛門が浜松城にいる家族へあてたものが「火の用心」の由来となりました。